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ラグ・マットができるまで

ラグ・マットができるまで

テリエ・ド・ソティエのラグ・マットはネパールで職人さんが手織りで作る羊毛100%の絨毯です。
そもそもネパール絨毯の多くはチベットから移住してきた遊牧民からの流れを汲むチベットの伝統柄と、またその美しさに注目したヨーロッパの人々の感性が加わって作られたモダンな柄とがあります。テリエ・ド・ソティエでは、それらの絨毯も扱っていますが、主にオリジナルのデザインをネパールの職人さんの手でひとつひとつ丁寧に作ってもらっています。
今回はそんなラグ・マットがネパールでどのように作られていくのか工程を見ていきたいと思います。

① 羊毛から糸へ

まず、ヒマラヤ産(チベット産)の羊毛とニュージーランド産の羊毛をミックスして手紡ぎして糸にします。
そのミックス度合いで糸のソフトさハードさが違ってきます。
また、ナチュラルな羊の毛はさまざまな色の濃さがあり、その自然な色合いを生かしてラグ・マットにする場合もあり白から黒までそれぞれの濃さの糸も作ります。
人の手で紡いでいるため、糸の太さが均一ではないのですが、またそれが良い味となります。
(上の写真は紡いだ糸を毛糸玉にしているところです。)

② 染色

羊の毛そのままの色を使った無染色の糸以外、スイス製の染料を用いカラフルで温かみのある色合いに糸染めしていきます。テリエ・ド・ソティエのデザインでは主に96色のベースカラーとナチュラルな羊毛のカラーから色を選んで作っています。工場ではその他にも大量のカラフルな糸があり、オーダーメイドではご希望の色に近い色を用意することも出来ます。
(上の写真は96色のベースカラーです。)

③ 織り

ひとり一つの絨毯を(大きい絨毯の場合は2人や3人で横並びになって)チベットの伝統的な方法で手織りしていきます。
上部に実寸の下絵を置き、織り機の縦糸の一本ずつに下絵を見ながら糸を結び付けて櫛のような道具で縦糸の目に沿って下に叩くようにして目を詰まらせてゆきます。
絨毯は目の細かさをknot(ノット)という単位で表します。テリエ・ド・ソティエのネパール絨毯は60knot・80knot・100knotの3種類があり、縦糸と横糸をつむぐ目が細かい方が100knotで細かい分、糸も細めのもので紡いでいるため繊細なデザインを表現することが出来ます。60knotは反対に目は粗いですが太い糸で織るため仕上がりに厚みがあり温かみのある絨毯になります。オリジナルではデザインに合わせてより良い仕上がりになるようにknot数を選んで作っています。
(上の写真はyokomatの山菜シリーズを織っているところです。)

④ トリミング

織り上がった絨毯を織り機から外し床に広げ、表面を均一にカットして整えます。
デザインによっては色の境目にハサミで彫りのようなカットを入れ、より立体的な仕上がりとなります。

⑤ 仕上げの洗浄

最終工程で水と大きな木のヘラを使って十分に洗浄し、余分な汚れや遊び毛を洗い落とします。
最後に絨毯を両サイドから引っ張って浮かせ、トランポリンのような状態でしっかりと天日干しして乾燥させます。
(上の写真は最後にピンと張って天日干ししているところです。)

このようにネパールで作られるラグ・マットはひとつひとつ手作業で、たくさんの人の手と時間をかけてようやく出来上がります。